【獣医師監修】犬の心臓病、症状・原因・治療法を解
ああ心臓病は、見逃すと命に関わることもある病気です。だからこそ、早めに気づいてあげること、そして継続的に治療を続けていくことが大切です。
今回は、犬の心臓病の症状・原因・治療方法について解説します。
犬の心臓病とは
犬の心臓病では、僧帽弁閉鎖不全症が最も多と言われています。
これは心臓にある左心房と左心室を仕切る僧帽弁がうまく閉鎖できなくなり、血液の逆流がおこる病気ことをいいます。
特にマルチーズやシーズーなどの小型犬にみられる病気です。
主な心臓病の種類
僧帽弁閉鎖不全症:心臓の弁(僧帽弁)がきちんと閉じなくなり、血液が逆流する病気です。
拡張型心筋症:心臓の筋肉が薄くなり、拡張して血液を送り出す力が弱まります。
心臓病の主な症状
僧帽弁閉鎖不全症は、初期の状態ではほとんど症状が認められませんが、進行すると血液を全身に送り出せなくなります。
- 症状
- 運動するとすぐ疲れる
- 咳・呼吸困難
- 失神 など
末期には激しい咳や倒れたり、昏睡などの症状もみられます。
愛犬の変化に気づいたら、早めに受診することが重要です。
心臓病の原因
心臓病の発症には、遺伝や加齢などの要因が関与しています。
発生率は年齢とともに増加していきます。
16歳になると75%がこの病気を持つとも言われ、キャバリアは4歳以上では60%にもみられる病気です。
左心房の肥大で左側の気管支が圧迫されることによって咳がみられるようになり、最悪の場合、死に至ることもあります。
心臓病の治療方法
心臓病は完治が難しい病気ですが、早期に治療を開始することで進行を遅らせ、生活の質を維持することが可能です。
診断する際は、レントゲン・心電図・エコーなどで確認します。
投与する薬は、血管を拡張させる薬、心臓の収縮を高める薬、利尿効果を高めて体の中の余分な水分を減少させる薬などが使われます。
また、心臓への負担を軽減するための療法食が推奨されます。
飼い主ができること
飼い主は、愛犬に変化がないか注意を払いながら生活すること、定期検診を受けることなどが求められます。
- 定期健診の受診
- 日々の様子の観察
- 無理のない運動
- 適切な食生活
心臓病は時間をかけて進行する病気です。「少し様子を見る」ではなく、「早めに診てもらう」ことが、愛犬の命を守る第一歩になります。
まとめ
犬の心臓病は、高齢化に伴って今後ますます増加が予測される病気の一つです。
しかし、早期の発見と継続的なケアによって、愛犬と一緒に過ごす時間を大きく延ばすことができるようになってきています。
年齢だから仕方がないとあきらめず、日々の観察と定期検診を通じて、愛犬の健康を守っていきましょう。
参考文献:
一般社団法人福岡市獣医師会 (2011)「高齢犬の健康管理」
町田登(2020)「犬および猫の心膜疾患」獣医循環器研究会,52(2),69-74
一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラムHP
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監修獣医師:丸田 香緒里
◆丸田 香緒里 プロフィール
日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/






