【獣医師監修】高齢猫のトイレの管理と対処方法を解説
猫も高齢になると体の機能が衰え、トイレの問題が起こりやすくなります。
今回は、高齢猫のトイレの管理と対処方法について説明します。
高齢猫のトイレで起こる問題
ペットも高齢になると、身体が弱り病気にもかかりやすくなります。
嗅覚も衰えてくるので、食欲を維持する工夫が必要となります。また、適度な運動も忘れずに、小さな変化を見逃さないようにすることが大切です。
老化が進むと、以下のような症状は見られるようになるため、トイレも失敗しやすくなってしまいます。
高齢猫になると・・
- 反応が鈍くなる。
- 運動量が減る。
- トイレをうまく使えなくなる。
- 段差でつまずく。
- 高いところに飛び上がれなくなる。
- 寝ている時間が長くなる。
年齢を重ねることで、トイレまで移動することが困難になり、認知機能が低下してトイレに間に合わないことがあったり、高齢猫は関節炎などの影響でジャンプや段差を越えるのが難しくなるため、トイレに入ること自体が負担となってしまうこともあります。
また、高齢になると幼少期に比べてさまざま病気にかかりやすくなります。例えば、腎臓病や糖尿病、膀胱炎などがトイレを失敗する原因となることがあります。
対処方法
高齢猫がトイレに失敗する場合、飼い主としてどのように対応するべきでしょうか。
トイレは、入り口を浅くして段差をなくし、入りやすくましょう。いつも清潔に保っておくことも重要です。
主な対策
- 獣医師の診察を受ける
- トイレを見直す
- トイレの数を増やす
- 生活リズム
- ストレスを軽減する
頻繁にトイレを失敗する場合、病気が原因である可能性が高いため、獣医師の診察を受けることが重要となります。腎臓病や糖尿病などが原因の場合は、治療を受けることでトイレの問題を改善できることがあります。トイレは、猫が利用しやすいトイレを用意することが大切です。サイズは猫が余裕を持って回れる広さが望ましく、砂の種類も猫が好むものにしてあげましょう。
トイレの設置数も増やし、猫がどこにいてもすぐにトイレに行けるように配慮することで、トイレに間に合わないという問題を解決することができます。また、高齢猫はストレスを感じやすくなるため、できるだけ慣れた環境で暮らせるようにすることが大切です。他のペットとの関係がストレスになっている場合は、トイレの場所を分ける、飼い主の生活リズムがバラバラだと猫も生活リズムが崩れてストレスになる可能性もあるので、猫にとって快適な環境を整えてあげましょう。
まとめ
高齢猫のトイレ問題は避けられない問題の一つですが、飼い主の適切なサポートによって、負担を軽減することができます。
猫の健康と幸福を維持するために、日々のケアを見直し、猫にとって最適な環境を提供してあげましょう。
参考文献:
環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」
環境省「共に生きる 高齢ペットとシルバー世代」
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獣医師:丸田 香緒里
◆丸田 香緒里 プロフィール
日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/