【獣医師監修】犬と猫の下痢・血便の原因と対処方法 | WePet-プレミアムペットフード通販

【獣医師監修】犬と猫の下痢・血便の原因と対処方法

健康

犬と猫の下痢・血便の原因と対処方法

季節の変わり目は、ワンちゃん猫ちゃんも体調を崩すことがよくあります。
今回は下痢、血便が見られたときの原因や対処法についてお話します。

下痢について

■下痢の原因

  • 食事性
    フードを変更した、慣れないものを食べた場合など一過性の下痢が生じることがあります。
  • ストレス
    引っ越しや旅行、来客など環境の変化などでストレスを感じるとお腹の調子を崩してしまう子がいます。
  • 異物
    人間の食べ物やおもちゃなどフード以外のものを口にしてしまい下痢をする場合があります。
  • 感染症
    (寄生虫)回虫、条虫、コクシジウムなど
    (ウイルス感染)犬ジステンパーウイルス、パルボウイルス、コロナウイルスなど
    (細菌)クロストリジウムやカンピロバクターなど
  • 食物アレルギー/食物不耐性
    食事中のたんぱく質が体質的に合わず、下痢など消化器の症状をおこすことがあります。
  • 膵臓疾患
    膵炎や膵外分泌不全など。膵外分泌不全では脂肪分を含んだ白っぽい便が認められることがあります。
  • 肝臓疾患
    肝炎、肝不全では下痢の他に黄疸がみられることがあります。
  • ホルモン疾患
    副腎皮質ホルモン低下症や甲状腺機能亢進症などでは下痢、嘔吐など消化器の症状が出ることがあります。
  • 腫瘍
    消化管型リンパ腫、腺癌、平滑筋肉腫など腸管にできる腫瘍があります。
  • 炎症性腸疾患(IBD)
    腸に炎症細胞が集まり、腸炎を起こす病気です。

チェックすべきポイント

  • 下痢の形状
    泥状、水溶性、ゼリー状の粘膜や血が混じっているなど、便の形状や色は診断のヒントになるので写真を撮ったり、正確に伝えられるようにしておきましょう。また、便検査が必要になることがあるので新鮮な便があれば病院に持参すると良いです。
  • 全身状態と併発する症状
    下痢をした後も元気なのか、もしくはぐったりしている、沈鬱、体の震えがあるなどいつもと比べ違うところ、また下痢に加え嘔吐や食欲低下、お腹が張っているなど他の症状があれば必ず獣医師に伝えましょう。若齢もしくは高齢の犬猫では、下痢による脱水や食欲不振により急激な状態悪化や命に関わることがあるので注意が必要です。特に子犬や子猫では半日ごはんを食べないだけで低血糖症を起こすこともあるので早めに受診をしてください。

血便について

血便は、見た目ですぐに血と分かる赤い鮮血が混じるものと、便の色が黒っぽく鉄の臭いがする黒色便、便の表面に血が付着している場合があり、それは消化管のどこから出血しているかに起因します。

  • 鮮血便:大腸や直腸、肛門の周りからの出血が考えられます。血の色は赤~暗褐色です。
  • 黒色便:胃や小腸など上部消化管、または口腔内の出血を飲み込んでしまってもみられることがあります。
  • 便の表面に血が付着:直腸の炎症や微細な傷によって便の表面に血が付くことがあります。ゼリー状の粘液も一緒にみられることがあります。

■原因

原因としては下痢の原因と重複するところも多いですが食事、感染症、異物、アレルギー、腫瘍、出血性腸炎、血液凝固異常などです。

■動物病院受診の判断

少量の血や粘膜が混じった便をしていても、元気・食欲が普通であれば比較的軽度の胃腸炎の可能性があります。動物病院で状態を伝え適切な治療をしてもらいましょう。便全体に大量の血液が混じる場合や血便をした後ぐったりしているときは特に緊急性が高いので速やかに病院を受診しましょう。

まとめ

下痢の治療は元気や食欲があり、寄生虫などの感染がない場合は整腸剤や腸をサポートするお薬の治療をしながら反応を見る場合が多いです。
それでも長引いたり繰り返す下痢に関しては内臓疾患や腫瘍、ホルモン異常など他の原因がないか詳しい検査をしていきます。下痢や嘔吐がひどく状態が悪い場合には入院して点滴治療が必要になることもあります。

ご家庭では、消化の良いフードを少量に分けて与えたり胃腸に負担の少ない食事を心がけましょう。また脂肪分の多いおやつなどは中止して経過をみてあげましょう。
下痢が長引くと、犬猫ちゃんのケアやトイレの処理など飼い主さんの負担も大きいと思います。
困りごとは抱え込まず、病気のこと以外にも獣医師や病院スタッフにご相談下さいね。

獣医師:丸田 香緒里

◆丸田 香緒里 プロフィール

日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/

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