【獣医師監修】猫のストレスサイン | WePet-プレミアムペットフード通販

【獣医師監修】猫のストレスサイン

豆知識

猫はとても繊細な生き物で、人間には気づきにくい些細な変化や環境の乱れでも、猫はストレスを感じることがあります。
ストレスが蓄積すると、行動や体調にさまざまな変化が現れ、放置すると深刻な健康問題を引き起こす恐れもあります。
今回は、猫に見られやすいストレスサインについて解説します。是非最後までご覧ください。

猫がストレスを感じる原因

猫は環境の変化や日常生活の些細な出来事でもストレスを感じやすい傾向があります。
引っ越しなど住環境が大きく変化した場合や、新しい家族が増えた場合は注意が必要です。
飼い主の生活リズムが急激に変わり、猫と接する時間が減ったりすると、猫は不安を感じやすくなります。
また、過度にスキンシップを求めたり、しつこく抱っこや触るのを繰り返すと、警戒心が強まる猫にとってはストレスになることもあります。

猫が示す主なストレスサイン

猫がストレスを感じると、普段と違った行動をとることがあります。

主なストレスサイン

  • 食欲不振
  • 過度な毛づくろい
  • トイレの失敗
  • 攻撃性や臆病さの増加
  • 嘔吐や下痢などの体調不良

それぞれ解説していきます。

食欲不振
猫がストレスを感じると、まず食欲に変化が現れることが少なくありません。普段はしっかり食べていたのに突然食べなくなる、食べる量が極端に減るといった症状が見られた場合は、ストレスもしくは身体的な不調が疑われます。食欲不振が続くと、栄養不足や免疫力の低下につながり、病気のリスクが高まる可能性があります。食欲不振だけでなく、水をあまり飲まない場合も要注意です。特にストレスや恐怖を感じている場合、トイレや水飲み場に行くこと自体を避けてしまう猫もいるため、こまめなチェックが必要です。

過度な毛づくろい
猫は本来、清潔好きな動物であるため、毛づくろいは日常的に行われます。しかし、ストレスが強い状態に陥ると、過剰になることがあります。頻繁に毛づくろいを繰り返し、その結果として毛が抜けたり、皮膚が赤くただれたりすることも珍しくありません。特に、一部分だけを集中的になめ続けると皮膚にダメージが及び、そこから細菌感染を起こすリスクも高まるため、注意深く観察し、早めに対策を講じることが重要です。

トイレの失敗
これまで問題なくトイレを使っていた猫が、突然トイレ以外の場所で排泄するようになった場合も、ストレスの可能性があります。トイレが汚れている、トイレの場所が落ち着かない、急に大きな物音がしたなど、環境に関わる些細なストレス要因であっても、敏感な猫はトイレを避けるようになります。
また、トイレの数が足りなかったり(多頭飼いの場合など)、飼い主の留守が長くなるなどの変化が原因となることもあります。粗相は猫にとってもストレスとなりやすく、一度習慣化すると改善に時間がかかるため、早期対応が望まれます。

攻撃性や臆病さの増加
ストレスが高まると、普段は穏やかな猫でも攻撃的になったり、過度に臆病になったりすることがあります。人やほかの動物に対して威嚇を繰り返したり、触れようとすると噛もうとするなど、いつもとは違う攻撃的な行動を見せる場合は、何らかの精神的な負担を抱えているサインかもしれません。また、逆に引きこもりがちになり、物陰や高い場所など安全と思える場所に隠れてまったく出てこなくなるケースもあります。こうした行動変化を見逃さず、「いつもと違う」と感じたら、猫の生活環境を見直すきっかけにしましょう。

嘔吐や下痢などの体調不良
嘔吐や下痢は、食べ物が合わなかったり、感染症などの病気によっても起こるため、必ずしもストレスだけが原因とは限りません。しかし、特に病院で検査をして異常が見つからない場合には、ストレスが関与している可能性が高いでしょう。猫は不安や緊張が続くと自律神経のバランスが崩れ、それが消化機能の乱れを引き起こすと考えられています。嘔吐や下痢が続くと脱水症状や体力の低下に直結するため、早めに獣医師に相談するとともに、ストレス要因の特定と除去に努めることが重要です。

以下のような状態が見られたら注意が必要です。

  • 不適切な場所での排泄、壁などへの尿スプレー
  • 狭いところに閉じこもって出てこなくなる
  • 不適切な場所での爪とぎ行動
  • 体を過度に舐め、毛が抜けてしまう
  • グルーミングをしなくなり、毛がバサバサになる
  • 他の猫を執拗に追いかけまわす、追い詰める
  • 食欲不振、元気消失
  • 膀胱炎、便秘

ストレスを軽減する環境づくり

ストレスサインに気づいたら、まずは猫が安心して過ごせる環境を整えてあげましょう。具体的には、以下のポイントが挙げられます。

  • 隠れられる場所の確保
  • トイレの数や清潔さに配慮
  • 適度な運動や遊び

それぞれ解説していきます。

隠れられる場所の確保
猫は警戒心が強く、落ち着けるスペースを必要とします。キャットタワーやキャリーケース、段ボールなど、周囲から視線が遮られる隠れ家を用意してあげると安心感が高まります。

トイレの数や清潔さに配慮
トイレは「頭数+1」以上用意することが理想です。また、こまめに掃除をして清潔さを保ちましょう。嫌な臭いが残っていると猫はトイレを避ける原因になります。

適度な運動や遊び
猫じゃらしなどのおもちゃを使い、1日に数回は遊びの時間を設けることでストレス発散になります。狩猟本能を満たす遊びは、猫の心身の健康維持に大きく寄与します。

複数頭数飼育の時は、一時的に猫を隔離したり、相性の悪い猫と部屋を分けるといった対策も必要となります。
猫のストレスを未然に防ぎ、早期に対処するためには、日々のこまめな観察とケアが欠かせません。定期的に体重や食事量、水の摂取量などをチェックすることで、小さな変化を見逃しにくくなります。また、定期的に健康診断に連れて行くと、身体の異常を早めに発見でき、ストレスと関連した病気のリスクを下げることにもつながります。

まとめ

猫のストレスサインは、食欲不振や過剰な毛づくろい、粗相、攻撃性や臆病さの増加、嘔吐や下痢など多岐にわたります。
こうしたサインは、猫が「何らかの不安や緊張を抱えている」ことを知らせる重要なメッセージです。環境の変化や飼い主の生活リズムの乱れ、新しい家族やペットの加入など、猫のストレス要因は私たちが思う以上に多岐にわたるため、常日頃からの配慮とこまめな観察が求められます。
もし愛猫がストレスサインを示したと感じたら、まずは落ち着けるスペースを用意し、トイレ環境や普段の接し方を見直しましょう。
それでも改善しない場合には、獣医師に相談するようにしましょう。

参考文献:環境省「猫のストレスサイン」

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監修獣医師:丸田 香緒里

◆丸田 香緒里 プロフィール

日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/

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