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ペットフードの原材料と価格高騰の背景

豆知識

ワンちゃんやネコちゃんにとって欠かせないペットフードには、さまざまな原材料が使用されています。
近年では、世界的な物価高騰の影響により、これらの原材料の価格が上昇しており、それに伴ってペットフードの販売価格も値上がりしています。
本記事では、ペットフードに使用される主な原材料と、価格高騰の主な要因について、詳しく解説します。

ペットフードの基礎知識

現在販売されているペットフードは、「愛がん動物用飼料の安全性を確保する法律(ペットフード安全法)」によって定められています。
この法律は、製造の方法や表示についての規格、規格が合わないペットフードの製造・輸入・販売を禁止するもので、製造業者、輸入業者及び販売業者は、基準や規格を守った上で販売をする必要があります。

ペットフードの歴史と動向については、こちらの記事をご覧ください。

■犬と猫に必要な栄養とは?

人間と同じように、犬や猫は、脂肪、たん白質、炭水化物、ミネラル、ビタミンを食事で摂り入れなければ健康に生きることができません。
但し、人間と犬猫では、必要な栄養素の割合に大きな違いがあるため、何を与えても良い訳ではありません。

犬は、長い間人間と共同生活していく中で雑食性が進み、たん白質の必要量は人間より多いものの、必要な栄養素の割合は人間と全般的によく似ています。
猫は、人間と暮らし続けていても肉食性を保ち続けたため、人間や犬に比べてたん白質が必要です。人間や犬は、必要なタウリンや、ビタミンAなどを体内で作ることができるのに対して、猫では作ることができないため、タウリンを十分に含んだフードを与える必要があります。

犬と猫に必要なエネルギー量

犬と猫は、体重や運動量、ライフステージによってエネルギー量は異なります。
一般的な成犬と成猫に必要な維持エネルギー量は以下の通りです。

成犬の維持エネルギー量の参考値

体重(kg) 維持エネルギー量(kcal/日)
1 132
3 301
5 441
7 568
10 742
12 851
15 1,006
20 1,249
25 1,476
30 1,692
35 1,899
40 2,100
45 2,293
50 2,482
55 2,666
60 2,846
65 3,022
70 3,194
80 3,531
90 3,857

成猫の維持エネルギー量の参考値

体重(kg) 活発な猫の維持エネルギー量(kcal/日) 不活発な猫の維持エネルギー量(kcal/日)
2 160 140
3 240 210
4 320 280
5 400 350
6 480 420

出所:公益社団法人日本愛玩動物協会

適切な食事量

犬や猫に与えるフードの量は、製品パッケージに記載されている推奨量を参考にし、計量カップやはかりを使用して正確に量りましょう。
現在の体重ではなく、理想体重 に基づいて食事量を調整することが大切です。

環境省が公表している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」を参考に食事量の計算方法をご紹介いたします。

エネルギー要求量(RER・DER)の計算
安静時エネルギー要求量(RER)
RER = 体重(kg) × 30 + 70
1日あたりのエネルギー要求量(DER)
DER = RER × 係数

食事量の例(体重5kgの場合)
犬(避妊・去勢済):352kcal/日
猫(避妊・去勢済):264kcal/日

犬や猫は言葉で不調を伝えることができません。
飼い主が日頃からよく観察することが大切です。

健康管理に欠かせないボディコンディションスコア(BCS)の解説はこちらの記事をご覧ください。

ペットフードに使用される原材料

ペットフードは、犬や猫といった動物が健康を維持するために必要な栄養素をバランス良く含むように設計されています。

穀類

主な種類
トウモロコシ、小麦、玄米、小麦粉、パン粉、米粉、米糠、小麦フスマ、コーングルテンフィード、コーングルテンミール等

穀類の役割
穀類は、エネルギー源として位置づけられ、主成分がデンプンなどの可溶無窒素物で、これが体内でエネルギー源として利用されます。

✓トウモロコシ(コーン)
世界最大の穀類であるトウモロコシは、ペットフードを含む家畜用飼料原料で、全体の約70%が使用されています。飼料に使用される品種の中には、粒の色が黄色、橙色、紅色、白色などの種類があります。
✓小麦・小麦粉・フスマ
ペットフードには小麦粉やフスマが使用され、特に小麦粉は、国産ペットフードに使用される穀類としては、トウモロコシの次に多くなっています。
✓玄米
トウモロコシと小麦に続く、第3の主要な穀類である玄米は、海外ではペットフードに用いられていますが、日本ではコストが高くなるため、ペットフードに用いられることが少なくなっています。

■イモ類

主な種類
サツマイモ、ジャガイモ(馬鈴薯)、キャッサバ等

イモ類の役割
イモ類の役割は、穀類と似ており、主成分はデンプン等の炭水化物のため、エネルギー源として利用されます。
グレインフリーのペットフードが注目されるようになり、穀類に代わる炭水化物源としてもイモ類や豆類が使用されています。

オーガニックやナチュラルについては、こちらの記事をご覧ください。

■豆類

主な種類
大豆、大豆ミール(または脱脂大豆)、きな粉、大豆粉(ソイフラワー)、おから、ソラ豆、小豆、エンドウ豆、レンズ豆、ヒヨコ豆等

豆類の役割
有機溶媒や物理的な圧搾などによって搾油し、大豆ミールなどの原料として利用されることが多い。
大豆ミールは、高タンパク、低コストのため、タンパク源としての役割を果たします。

■野菜類

主な種類
ニンジン、キャベツ、グリーンピース、かぼちゃ等

野菜類の役割
野菜類は、ドライフードよりウエットフードやセミモイストフードなどに使用されるのが一般的です。
豊富な食物繊維が含まれているため、便通改善などの効果が期待できます。

■魚介類

主な種類
マグロ、カツオ、アジ、イワシ、貝類、フィッシュミール等

魚介類の役割
魚介類は動物性原料に分類され、肉類と並ぶ重要な原料です。
植物性原料より高い消化率で嗜好性高く、大別すると、ドライフードに使用する乾燥状態の原料と缶詰などのウェットフードに使用する含水状態の原料に分けられます、

■肉類

主な種類
牛(ビーフ)、豚(ポーク)、鶏(チキン)、七面鳥(ターキー)、羊(マトン・ラム)、飼料原料としてのミートミール、ミートボーンミール、チキンミール等

肉類の役割
肉類は魚介類、卵類、乳類とともに同じ動物性原料に分類され、植物性原料より高い消化率で嗜好性が高い。

ペットフードの原材料一覧表

分類名 原材料個別名 定義
穀類 トウモロコシ、マイロ、小麦、大麦、玄米、エン麦 等
小麦粉、パン粉、米粉、コーンフラワー、オートミール 等
米ぬか、小麦フスマ、小麦胚芽、大麦糠、グルテンフィード、小麦グルテン、コーングルテンミール 等
すべての穀類の穀粒、挽き割り、穀粉およびその加工物
穀類の精白、製粉時の副生物、およびその加工物・製造粕類、植物タンパク濃縮物
イモ類 サツマイモ、ジャガイモ等 すべての種類のイモ類およびその加工品
デンプン類 コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカ(キャッサバ)スターチ等
サツマイモ、馬鈴薯、こんにゃく等
すべての種類のデンプン、およびイモ類などのデンプン原料、多糖類原料
糖類 砂糖、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、異性化糖、オリゴ糖類、水飴、シロップ、糖蜜、蜂蜜等 すべての種類の糖質、糖質高濃度含有物、およびその加工物
種実類 アーモンド、クリ、ゴマ、ラッカセイ等 すべての種類の植物の堅果、種子およびその破砕物
豆類 大豆、脱脂大豆、大豆ミール、きな粉、大豆粉(ソイフラワー)、おから、ソラマメ、アズキ等 すべての種類の豆またはその加工物、加工副生物
野菜類 ニンジン、キャベツ、グリーンピース、カボチャ等 新鮮なまたは適正な方法により保存されてあるすべての種類の野菜およびその加工物
果実類 リンゴ、バナナ、パイナップル、パッションフルーツ等 新鮮なまたは適正な方法により保存されてあるすべての種類の果実類およびその加工物
キノコ類 マッシュルーム、エノキ、シイタケ、シメジ等 新鮮なまたは適正な方法により保存されてあるすべての種類のキノコおよびその加工物
藻類 ノリ、コンブ、ワカメ、ヒジキ、クロレラ、スピルリナ、寒天、カラギーナン等 新鮮なまたは適正な方法により保存されてある藻類およびその加工物
魚介類 マグロ、カツオ、アジ、イワシ等の魚類、エビ、カニ、タコ、イカ等の甲殻類および軟体動物、ホタテ、サザエ等の貝類、フィッシュミール(魚粉)およびフィッシュエキス等 新鮮なまたは適正な方法により保存されてある魚類、貝類、甲殻類、軟体動物およびその加工物、加工副生物
肉類 ウシ(ビーフ)、ブタ(ポーク)、ヒツジ(マトンまたはラム)、ウサギなどの畜肉および獣肉、並びにその副生成物および加工品。ニワトリ(チキン)、シチメンチョウ(ターキー)、ウズラなどの鳥肉並びにその副生成物および加工品。ミートミール、ミートボーンミール、チキンミール等の上記原料のレンダリング物 新鮮なまたは適正な方法により保存されてある哺乳動物・家禽類等の生肉、肉体部分、並びに上記動物の体または体の一部から生じるすべての副生成物およびその加工物
卵類 鶏卵(全卵、乾燥全卵、卵黄、卵白)、アヒル卵、ウズラ卵等 新鮮なまたは適正な方法により保存されてある鳥類の卵および加工物、加工副生物
乳類 全脂乳、脱脂乳および全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエー、チーズ、バター、クリーム等 新鮮なまたは適正な方法により保存されてある生乳、およびその加工物、加工副生物
油脂類 動物性油脂 [牛脂(タロー)、豚脂(ラード)、鶏脂(チキンオイル)、魚油(フィッシュオイル)、バター、脂身等]、植物性油脂(大豆油、ゴマ油、胚芽油、綿実油、パーム油、マーガリン等)、脂肪酸(リノール酸、リノレン酸、高度不飽和脂肪酸等) すべての動物および植物から得られる油脂および加工油脂、脂肪酸類

出所:ペットフードの主な原料

ペットフード価格高騰の要因

新型コロナウィルスの流行やロシアによるウクライナ侵略などの影響により、世界中で原材料費が上昇を続けています。
日本においては、お米の価格上昇を抑制するために備蓄米の放出が行われる対策が講じられています。

■原材料価格の上昇

  • 穀類:世界的な作物需給ひっ迫などにより、トウモロコシなど飼料用穀物も値上がりし、ドライフードに使用される穀物原料のコストも増加。
  • 製造:乾燥や調理に必要な燃料・電力コストが高騰し、原料とは別に製造コスト全体が上昇。
  • 配送:世界的な原油価格上昇やコンテナ不足により、国内外での物流コストが上昇し、原材料を農場から製造工場へ、完成品を流通業者へ、最終的にご自宅へ届けるまでの各段階でコストが増加。
  • 包装資材価格の高騰:プラスチックフィルムやアルミパウチ、段ボールなどの包装材も世界的な石油価格上昇と原材料不足の影響を受け、価格が上昇。
  • 人件費・運送人員不足:少子高齢化やコロナ禍以降の人材不足で、製造・流通業界では人件費が上昇。工場や倉庫での作業員確保が難しくなり、賃金の引き上げが必要になることで、製造・流通コストが膨む。

これらの複数要因によって、ペットに関連する製品の価格が上昇しています。

飼い主の立場に寄り添うブラバンソンヌ

ブラバンソンヌのペットフードは、愛犬家、愛猫家のお客様に安心してお買い求めいただけるように、ご自宅に商品をお届けするまでの工程を可能な限り効率化し、販売を行っています。
また、通常よりもお得にご購入いただける「定期便」、300円(税抜)でお試めし頂ける「お試しセット」も販売しています。
ペットフードにお悩みの方は、ぜひブラバンソンヌのドッグフード、キャットフードをご検討ください。

執筆:上森 (MBA・ペット栄養管理士・愛玩動物飼養管理士1級)

参考文献
大島誠之助(2021)「ペットフードの主な原料」ペット栄養学会誌,24(1),27-38.
環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」
公益社団法人日本愛玩動物協会「愛玩動物飼養管理士1級」

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ブラバンソンヌとは

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