【獣医師監修】高齢犬のトイレと病気・対処方法を解説
犬も高齢になると体の機能が衰え、トイレの問題が起こりやすくなります。
今回は、高齢犬のトイレと病気・対処方法について説明します。
高齢犬のトイレで起こる問題
ペットも高齢になると、身体が弱り病気にもかかりやすくなります。
嗅覚も衰えてくるので、食欲を維持する工夫が必要となります。また、適度な運動も忘れずに、小さな変化を見逃さないようにすることが大切です。
老化が進むと、以下のような症状は見られるようになるため、トイレも失敗しやすくなってしまいます。
高齢犬になると・・
- 反応が鈍くなる。
- 運動量が減る。
- トイレをうまく使えなくなる。
- 段差でつまずく。
- 高いところに飛び上がれなくなる。
- 寝ている時間が長くなる。
病気による影響
高齢になると病気にかかるリスクが高まります。腎臓病や糖尿病、膀胱炎などの泌尿器系の病気は、排泄機能に影響を与えるため、トイレを失敗してしまう原因となります。
痛みが伴う病気に罹っている場合は、トイレに行く動作そのものが困難になることがあります。
また、老いに伴う様々な症状が現れて、介護が必要になることもあります。老い方やそれに伴いどんな問題が出てくるかは、個体によって異なります。いわゆる認知症の症状を示すこともあり、異常な食欲、無駄吠え、飼い主の姿が見えなくなると鳴く、目的無く歩き続ける、不適切な排泄など様々な症状が現れます。
対処方法
老犬がトイレに失敗する場合、飼い主としてどのように対応するべきでしょうか。
トイレは、入り口を浅くして段差をなくしたり、スロープを付けるなど入りやすくましょう。いつも清潔に保っておくことも重要です。
いつでもトイレができるようにトイレの数を増やしたり、設置場所を工夫するのも有効です。トイレのトレーニングは、高齢犬になると覚えられない訳ではありませんが、幼少期から行っておくことが大切です。
病気に罹っている場合は、症状によって必要な対策や介護も異なるため、問題の原因を探りながらひとつずつ対処していくことになります。犬が高齢になり、介護が必要な状態になった場合は、一人で抱え込まず、家族と協力したり、かかりつけの動物病院に相談し、無理なく続けられる方法で向き合うようにしましょう。
まとめ
高齢になるとトイレの問題が起こりやすく、飼い主は適切な対応が求められます。
老化に伴い、体力の低下や病気を患うことも増えるため、常に注視しながら暮らしていくことが大切です。
参考文献:
環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」
環境省「共に生きる 高齢ペットとシルバー世代」
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獣医師:丸田 香緒里
◆丸田 香緒里 プロフィール
日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/