【獣医師監修】ドッグフードの選び方 成犬編
子犬期が終わって、成犬用のドッグフードを選ぶ時、どのフードが良いか悩まれるかと思います。
今回は、成犬のドッグフードの選び方を解説しますので、最後までご覧ください。
成犬用ドッグフードに切り替えるタイミング
目安となる月齢
子犬用(パピー)から成犬用に切り替えるタイミングは、犬種や体格によって大きく異なります。
一般的な目安は次の通りです。
- 小型犬:生後約 8か月ごろ
- 中型犬:生後約 12か月ごろ
- 大型犬:生後約 18か月ごろ
ただし、あくまで「目安」であり、以下を総合的に見て決めるようにしましょう。
- 体の成長が落ち着いてきたか
- 太りやすくなってきていないか
- 獣医師の判断
切り替えは「10〜14日かけて少しずつ」
急にフードを変えると、下痢や嘔吐など消化不良の原因になります。
- 1〜3日目:新フード 25% + 旧フード 75%
- 4〜6日目:新フード 50% + 旧フード 50
- 7〜9日目:新フード 75% + 旧フード 25%
- 10日目以降:新フード 100%
パッケージを確認
フードの袋には、以下が記載されています。
- 対応ライフステージ(子犬用/成犬用/シニア用/オールステージなど)
- 給与量の目安
- 「総合栄養食」かどうか
「成長期」「子犬用」から「成犬用」に切り替えてよいか迷うときは、以下の2ステップで決めると安心です。
1. まずパッケージの対象年齢をチェック
2. かかりつけの獣医師に、体格・体重・去勢/避妊の有無なども含めて相談
成犬フードを選ぶ前に「うちの子の個性」を知る
犬種や個体差によって、将来かかりやすい病気や体質はさまざまです。
うちの子のリスクと体質を把握しておくことで、より相性の良いフードを選びやすくなります。
- 関節トラブルが多い犬種
- 心臓疾患のリスクが高い犬種
- 太りやすい・太りにくい体質の子
- お腹が弱く、下痢しやすい子 など
アレルギーと原材料の考え方
皮膚のかゆみ・赤み、耳のトラブル、慢性的な下痢・軟便など、体質によっては 食物アレルギーが関係していることもあります。
動物病院でのアレルギー検査や単一タンパク源フードを使った「除去食試験」などで、原因食材の目星がつくこともあります。
この原材料はNGというより、年齢や体調によって 反応が出たり出なかったりすることもあるため、獣医師と相談しながら対応していくことが大切です。
ラベルと表示
日本では、ペットフードの表示ルールをペットフード公正取引協議会が定めており、その中で「総合栄養食」とは、そのフードと水だけで指定された成長段階の健康を維持できる、栄養バランスのとれた製品とされています。成犬の「主食」として毎日与えるフードのため、きちんと以下の表示があるか確認しましょう。
目的:総合栄養食
対象:成犬用(または成犬を含むオールステージ)
日本の「ペットフード安全法」で守られていること
日本では 2009年に 「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」 が施行され、以下のことが定められています。
- 有害物質・農薬・汚染物質などの 成分規格
- 製造方法の基準
- 事業者の届け出
- パッケージへの表示義務(原材料、賞味期限、原産国など)
- 問題発生時の 回収命令・廃棄命令
つまり、日本国内で正規に流通している犬猫用フードは、一定の安全基準を満たしていることになります。
そのうえで、
- どの栄養基準を使っているか(AAFCO / FEDIAF 等)
- 原材料の質や産地
- 添加物の種類
といった、メーカーごとのこだわりを比較しながら選んでいくのが良いでしょう。
AAFCO・FEDIAFなどガイドライン
パッケージに「AAFCO」「FEDIAF」といった表示がある場合、そのフードは、
・AAFCO(米国飼料検査官協会)
・FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)
など、海外の栄養ガイドラインに沿って設計されていることを意味します。
これらは国際的に広く利用されている基準で、フードを選択する際の目安となります。
日本の「ペットフード安全法」と表示義務
日本では「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」により、下記の内容が定められています。
・有害物質や農薬・汚染物質などの上限値(成分規格)
・製造方法の基準
・パッケージへの表示義務(名称・原材料名・賞味期限・原産国・製造業者名と住所)
法律の基準を満たさないペットフードの製造・輸入・販売は禁止されており、問題があれば回収命令なども行われます。つまり、日本国内で正規に流通している犬猫用フードは、一定の安全基準をクリアしていると考えてよいでしょう。そのうえで、各メーカーごとの品質やこだわりを比較して選ぶことが大切です。
添加物
「無添加」「添加物フリー」という言葉は人気ですが、実際には、
・合成保存料・防腐剤
・合成着色料
・合成香料
といった「合成添加物を使っていない」という意味であることが多いです。
一方で、日本のペットフード安全法で認められている添加物は、許容範囲内で使用される限り、安全性が評価されています。「添加物=すべて危険」というわけではありません。
ただし、
・できるだけシンプルな原材料だけで作られたフードを選びたい
・合成保存料・着色料は避けたい
という飼い主さんも多く、そのニーズに応えるために「合成添加物不使用」のプレミアムフードが増えています。
「安すぎるフード」はなぜ注意が必要?
ペットフードの価格の大部分は原材料費で決まります。
・極端に安価なフードの場合、
・肉の使用量が少なく、穀類や副産物の比率が高い
・たんぱく質・脂質・ミネラルなどのバランスが最小限
・長期保存のために合成防腐剤への依存度が高い
といったケースもあり、成長期の子犬にとっては望ましくない場合があります。
「高い=絶対に良い」わけではありませんが、「安すぎるフード」には理由があると考え、原材料表示を確認したうえで選びましょう。
まとめ
日本には ペットフード安全法 があり、犬猫用フードの安全性は法律で支えられています。
そのうえで、「総合栄養食」「原材料」「添加物」などの情報を理解すると、フードの中身の違いが見えてきます。
最終的に、一番大事なのは愛犬の様子をみながら、飼い主さん自身が納得して選ぶのが良いでしょう。
参考文献:
環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」
WSAVA Global Nutrition Committee 「Recommendations on Selecting Pet Foods」
BRABANCONNE
監修獣医師:丸田 香緒里
◆丸田 香緒里 プロフィール
日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/






