【獣医師監修】キャットフードの選び方 成猫編
成猫期は、肥満・泌尿器トラブル・生活習慣病などがじわじわ増えやすい時期でもあります。
今回は、キャットフードの選び方、切り替え方などを解説いたします。ぜひ最後までご覧ください。
成猫はいつから?ライフステージの目安
成猫期の年齢の目安
一般的に、猫のライフステージは次のように分けられます。
- 子猫(キトン):〜1歳
- 成猫:1〜6歳ごろ
- 老猫:7歳〜
1歳を過ぎて成長が落ち着き、体格がほぼ完成した時期が「成猫期」です。
この時期のフード選びは、
- 太らないように注意する
- 筋肉量と活動量を維持する
- 将来のシニア期の健康土台を作る
という視点で考えるのがポイントです。
フードの切り替えは10〜14日かける
急な切り替えは、下痢や嘔吐など消化器トラブルの原因になります。
- 1〜3日目:新フード 25% + 旧フード 75%
- 4〜6日目:新 50% + 旧 50%
- 7〜9日目:新 75% + 旧 25%
- 10日目以降:新フード 100%
途中で便が緩くなったり、体調が崩れた場合は、前の段階に戻す or 獣医師に相談しましょう。
成猫期の体と生活スタイルの変化
子猫期と比べて、成猫期は、
- 成長が止まり、必要カロリーが減る
- 避妊・去勢手術で太りやすくなる
といった変化が出てきます。
「子猫用のまま」「子猫のときの量のまま」で与え続けると、肥満になりやすいので要注意です。
成猫用キャットフードを選ぶ前に確認したいこと
フード選びの前に、まずは「うちの子の今」を整理しましょう。
- 体重・体型(ボディコンディション・スコア)
- 肋骨がうっすら触れるくらいか
- 上から見てウエストがくびれているか
- お腹が丸く垂れていないか
避妊・去勢
避妊・去勢後は、基礎代謝が下がったり、食欲が増える子も多いため、手術前と同じフード・同じ量だと肥満のリスクが高くなります。
室内飼いか/外に出るか
- 完全室内飼い → 運動量が少なめ、肥満・尿路トラブルに注意
- 外にも出る → ケガ・感染症・寄生虫・消費カロリーなどに注意
同じ成猫でも、ライフスタイルによって必要なカロリーや栄養は変わります。外に出すのは、病気になるリスクも増えるので、基本は室内飼いをするようにしましょう。
成猫用キャットフードの選び方
毎日の主食として選ぶフードは、表示に 「総合栄養食」 と書かれているフード、「成猫用」「成猫〜シニア用」「アダルト」 などと書かれているものを選ぶようにしましょう。
猫は「肉食動物」です。筋肉・臓器・被毛の維持、ホルモンや酵素の材料として、質の良いたんぱく質が欠かせません。
また、猫は体内で十分な量のタウリンを合成できないため、タウリンは必須栄養素とされています。
総合栄養食であれば基本配合されていると思いますが、念のため、タウリンが記載されているかを確認しておくと安心です。
成猫のキャットフード「量」と「回数」の目安
子猫期は、1日3〜4回が目安でしたが、
成猫期は、1日2〜3回 が一般的な目安です。
猫は「ちょこちょこ食べ」をする動物なので、1日の総量は守りつつ数程度に分けて与えるようにしましょう。
ドライフードとウェットフードの使い分け
ドライフード(カリカリ)のメリット
- 少量でしっかりカロリー、栄養が摂れる(高エネルギー密度)
- 保存しやすい
- 災害時・外出時にも扱いやすい
成猫の主食としては、成猫用ドライフードの総合栄養食がもっとも管理しやすいでしょう。
ウェットフードのメリット
- 水分が多く、尿路ケア・脱水予防にプラス
- 香りが強く、嗜好性が高い
- 噛む力が弱くても食べやすい
一方で、
- ドライに比べてカロリー密度が低い
- しっかり量を食べないと必要カロリーに届かない
- 開封後は日持ちしない
といった注意点もあります。
子猫用から成猫用への切り替え
子猫用は高カロリー・高たんぱくで、成長のための設計されていて、成猫になったら、そのままではカロリーオーバーになりやすいです。
目安として、1歳前後で体重が安定してきたら、成猫用フードへ10〜14日かけてゆっくり切り替えるようにしましょう。
ラベルと表示
日本では、ペットフードの表示ルールをペットフード公正取引協議会が定めており、その中で「総合栄養食」とは、そのフードと水だけで指定された成長段階の健康を維持できる、栄養バランスのとれた製品とされています。
成猫の「主食」として毎日与えるフードのため、きちんと以下の表示があるか確認しましょう。
目的:総合栄養食
対象:成猫用(または成猫を含むオールステージ)
日本の「ペットフード安全法」で守られていること
日本では 2009年に 「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」 が施行され、以下のことが定められています。
- 有害物質・農薬・汚染物質などの 成分規格
- 製造方法の基準
- 事業者の届け出
- パッケージへの表示義務(原材料、賞味期限、原産国など)
- 問題発生時の 回収命令・廃棄命令
つまり、日本国内で正規に流通している犬猫用フードは、一定の安全基準を満たしていることになります。
そのうえで、
- どの栄養基準を使っているか(AAFCO / FEDIAF 等)
- 原材料の質や産地
- 添加物の種類
といった、メーカーごとのこだわりを比較しながら選んでいくのが良いでしょう。
AAFCO・FEDIAFなどガイドライン
パッケージに「AAFCO」「FEDIAF」といった表示がある場合、そのフードは、
- AAFCO(米国飼料検査官協会)
- FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)
など、海外の栄養ガイドラインに沿って設計されていることを意味します。
これらは国際的に広く利用されている基準で、フードを選択する際の目安となります。
日本の「ペットフード安全法」と表示義務
日本では「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」により、下記の内容が定められています。
- 有害物質や農薬・汚染物質などの上限値(成分規格)
- 製造方法の基準
- パッケージへの表示義務(名称・原材料名・賞味期限・原産国・製造業者名と住所)
法律の基準を満たさないペットフードの製造・輸入・販売は禁止されており、問題があれば回収命令なども行われます。つまり、日本国内で正規に流通している犬猫用フードは、一定の安全基準をクリアしていると考えてよいでしょう。そのうえで、各メーカーごとの品質やこだわりを比較して選ぶことが大切です。
添加物
「無添加」「添加物フリー」という言葉は人気ですが、実際には、
- 合成保存料・防腐剤
- 合成着色料
- 合成香料
といった「合成添加物を使っていない」という意味であることが多いです。
一方で、日本のペットフード安全法で認められている添加物は、許容範囲内で使用される限り、安全性が評価されています。「添加物=すべて危険」というわけではありません。
ただし、
- できるだけシンプルな原材料だけで作られたフードを選びたい
- 合成保存料・着色料は避けたい
という飼い主さんも多く、そのニーズに応えるために「合成添加物不使用」のプレミアムフードが増えています。
「安すぎるフード」はなぜ注意が必要?
ペットフードの価格の大部分は原材料費で決まります。
- 極端に安価なフードの場合、
- 肉の使用量が少なく、穀類や副産物の比率が高い
- たんぱく質・脂質・ミネラルなどのバランスが最小限
- 長期保存のために合成防腐剤への依存度が高い
といったケースもあり、成長期の子猫にとっては望ましくない場合があります。
「高い=絶対に良い」わけではありませんが、「安すぎるフード」には理由があると考え、原材料表示を確認したうえで選びましょう。
まとめ
成猫期のフード選びは「今」と「未来」の両方を見るようにしましょう。
「総合栄養食」「原材料」「添加物」などの情報を理解すると、フードの中身の違いが見えてきます。
最終的に、一番大事なのは愛猫の様子をみながら、飼い主さん自身が納得して選ぶのが良いでしょう。
Zesty Paws
監修獣医師:丸田 香緒里
◆丸田 香緒里 プロフィール
日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/






