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【獣医師監修】キャットフードの選び方 老猫(シニア猫)編

ぺットフード

猫は人間より早く歳を取ります。見た目はあまり変わらなくても、体の中では少しずつシニア期の変化が進んでいるかもしれません。
今回は、老猫のフードについて解説します。ぜひ最後までご覧ください。

猫はいつから「老猫」?シニア期の目安とサイン

老猫期の年齢の目安
一般的に、猫のライフステージは次のように分けられます。

  • 子猫(キトン):〜1歳
  • 成猫:1〜6歳ごろ
  • 老猫:7歳〜

シニア期のサイン

年齢だけでなく、次のような変化が見られたらシニア用フードへの切り替えを検討するサインです。

  • 以前より寝ている時間が増えた
  • ジャンプ力が落ちた/高い所にあまり登らない
  • 毛ヅヤが落ちてパサつきが目立つ
  • 体重が増えた/逆に痩せてきた
  • 水を飲む量や尿の量が変化した

一つでも気になる点があれば、食事を見直すとともに、一度獣医師に相談しておきましょう。

老猫用キャットフードを選ぶ前に確認したいこと

フード選びの前に、まずは「うちの子の今」を整理しましょう。

  • 体重・体型(ボディコンディション・スコア)
  • 肋骨がうっすら触れるくらいか
  • 上から見てウエストがくびれているか
  • お腹が丸く垂れていないか

避妊・去勢

避妊・去勢後は、基礎代謝が下がったり、食欲が増える子も多いため、手術前と同じフード・同じ量だと肥満のリスクが高くなります。

室内飼いか/外に出るか

完全室内飼い → 運動量が少なめ、肥満・尿路トラブルに注意
外にも出る → ケガ・感染症・寄生虫・消費カロリーなどに注意

同じ老猫でも、ライフスタイルによって必要なカロリーや栄養は変わります。外に出すのは、病気になるリスクも増えるので、基本は室内飼いをするようにしましょう。

老猫用キャットフードへの切り替えタイミング

シニア用フードに切り替える目安として、
7歳位から徐々にシニア用へとされることが多いですが、年齢だけではなく、

  • 体重・体型(太り気味か、痩せ気味か)
  • 活動量
  • 持病の有無(腎臓病・心臓病・糖尿病など)

といった「その子の状態」が大切です。

フードの切り替えは10〜14日かける

急な切り替えは、下痢や嘔吐など消化器トラブルの原因になります。

1〜3日目:新フード 25% + 旧フード 75%
4〜6日目:新 50% + 旧 50%
7〜9日目:新 75% + 旧 25%
10日目以降:新フード 100%

途中で便が緩くなったり、体調が崩れた場合は、前の段階に戻す or 獣医師に相談しましょう。

老猫の食欲が落ちた時の原因と対策

歳を取ると、体の変化や病気が原因で食欲が落ちることがあります。
猫にとって 「匂い」=食欲のスイッチですが、高齢になると嗅覚が鈍くなり、今までと同じフードでも魅力を感じにくくなります。

対策

1.ぬるま湯(人肌〜40℃程度)でふやかし、香りを立たせる
2.ウェットフードなどトッピングを少量混ぜる

歯周病や口の痛みで食べられない
高齢猫では、歯石・歯周病・口内炎など口腔トラブルが起きやすくなります。

  • 食べるときに顔をしかめる
  • 片側だけで噛む
  • ごはんをこぼす
  • よだれ・口臭がひどい

このような様子があれば、痛みで食べられない可能性が高いです。

対策

動物病院で口腔内のチェックを受ける
ドライフードはふやかして柔らかくする

歯周病については、こちらの記事をご覧ください。

内臓機能の低下・病気

腎臓・肝臓・心臓・消化器などの機能が落ちると、吐き気やだるさから食欲が持続的に低下することがあります。
数日以上の食欲不振や体重減少がある場合は、自己判断でフードだけ変えるのではなく、必ず獣医師に相談してください。

ドライフードとウェットフードの使い分け

ドライフード(カリカリ)のメリット

  • 少量でしっかりカロリー、栄養が摂れる(高エネルギー密度)
  • 保存しやすい
  • 災害時・外出時にも扱いやすい

老猫の主食としては、老猫用ドライフードの総合栄養食がもっとも管理しやすいでしょう。

  • ウェットフードのメリット
  • 水分が多く、尿路ケア・脱水予防にプラス
  • 香りが強く、嗜好性が高い
  • 噛む力が弱くても食べやすい

一方で、

  • ドライに比べてカロリー密度が低い
  • しっかり量を食べないと必要カロリーに届かない
  • 開封後は日持ちしない

といった注意点もあります。

ラベルと表示

日本では、ペットフードの表示ルールをペットフード公正取引協議会が定めており、その中で「総合栄養食」とは、そのフードと水だけで指定された成長段階の健康を維持できる、栄養バランスのとれた製品とされています。

成猫の「主食」として毎日与えるフードのため、きちんと以下の表示があるか確認しましょう。

目的:総合栄養食
対象:老猫用(シニア用)

日本の「ペットフード安全法」で守られていること

日本では 2009年に 「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」 が施行され、以下のことが定められています。

  • 有害物質・農薬・汚染物質などの 成分規格
  • 製造方法の基準
  • 事業者の届け出
  • パッケージへの表示義務(原材料、賞味期限、原産国など)
  • 問題発生時の 回収命令・廃棄命令

つまり、日本国内で正規に流通している犬猫用フードは、一定の安全基準を満たしていることになります。

そのうえで、

  • どの栄養基準を使っているか(AAFCO / FEDIAF 等)
  • 原材料の質や産地
  • 添加物の種類

といった、メーカーごとのこだわりを比較しながら選んでいくのが良いでしょう。

AAFCO・FEDIAFなどガイドライン

パッケージに「AAFCO」「FEDIAF」といった表示がある場合、そのフードは、

  • AFCO(米国飼料検査官協会)
  • FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)

など、海外の栄養ガイドラインに沿って設計されていることを意味します。
これらは国際的に広く利用されている基準で、フードを選択する際の目安となります。

日本の「ペットフード安全法」と表示義務

日本では「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」により、下記の内容が定められています。

  • 有害物質や農薬・汚染物質などの上限値(成分規格)
  • 製造方法の基準
  • パッケージへの表示義務(名称・原材料名・賞味期限・原産国・製造業者名と住所)

法律の基準を満たさないペットフードの製造・輸入・販売は禁止されており、問題があれば回収命令なども行われます。つまり、日本国内で正規に流通している犬猫用フードは、一定の安全基準をクリアしていると考えてよいでしょう。そのうえで、各メーカーごとの品質やこだわりを比較して選ぶことが大切です。

添加物

「無添加」「添加物フリー」という言葉は人気ですが、実際には、

  • 合成保存料・防腐剤
  • 合成着色料
  • 合成香料

といった「合成添加物を使っていない」という意味であることが多いです。
一方で、日本のペットフード安全法で認められている添加物は、許容範囲内で使用される限り、安全性が評価されています。「添加物=すべて危険」というわけではありません。

ただし、

  • できるだけシンプルな原材料だけで作られたフードを選びたい
  • 合成保存料・着色料は避けたい

という飼い主さんも多く、そのニーズに応えるために「合成添加物不使用」のプレミアムフードが増えています。

「安すぎるフード」はなぜ注意が必要?

ペットフードの価格の大部分は原材料費で決まります。

  • 極端に安価なフードの場合、
  • 肉の使用量が少なく、穀類や副産物の比率が高い
  • たんぱく質・脂質・ミネラルなどのバランスが最小限
  • 長期保存のために合成防腐剤への依存度が高い

といったケースもあり、老猫にとっては望ましくない場合があります。

「高い=絶対に良い」わけではありませんが、「安すぎるフード」には理由があると考え、原材料表示を確認したうえで選びましょう。

まとめ

猫は、7歳ごろから少しずつシニア期に入り、年齢だけでなく生活ぶりや体調の変化を見てフードを見直すことが大切となります。
食欲不振が続くときは、嗅覚・歯・内臓など様々な原因が考えられるため、早めに獣医師に相談しましょう。
猫ちゃんの様子をしっかり観察しながら、その子に本当に合ったシニア用フードを選んであげてください。

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監修獣医師:丸田 香緒里

◆丸田 香緒里 プロフィール

日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/

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