【獣医師監修】犬の自律神経について解説
犬の自律神経の役割について考えたことはありますか。自律神経というのは、体の機能をコントロールする神経系ことです。
本記事では、犬の自律神経について解説しますので、是非最後までご覧ください。
自律神経系
自律神経というのは、体の機能をコントロールする神経系ことです。
村山ら(2020)の論文では、「自律神経系とは、協調あるいは拮抗関係にある交感神経系と副交感神経系から構成される不随意神経のことである。」としています。
交感神経と副交感神経がバランスを取りながら活動し、交感神経は「戦うか逃げるか」の状況で体を活動的な状態にし、副交感神経はリラックスしてエネルギーを蓄える際に働きます。
犬でも人間と同様に、この自律神経系が心臓の働きや消化活動、体温調節など多岐にわたる生体機能をコントロールしています。
近年では、麻布大学の介在動物学研究室によって、映像刺激の違いによる犬の自律神経系の反応を解析する研究も行われています。本研究では、「イヌが自己と他個体を区別することが出来るとは言えないものの、愛着の高いイヌでは、映像刺激の違いに応じて異なる自律神経系の反応を示す」ということが分かっています。
自律神経のバランス
犬の飼育環境の変化や長時間の留守番などにより、バランスが乱れて自律神経に影響を及ぼす可能性があります。
自律神経のバランスを整えるためには、日常生活におけるストレス管理が重要となるため、定期的に運動をさせることで、エネルギーを消費し、ストレスを軽減に繋がります。
また、栄養バランスのとれた食事を与えることも大切です。不足しがちな栄養素はサプリメントで補うこともできます。
家庭内では、落ち着ける場所で、騒音など避けるように心掛けるようにしましょう。
まとめ
犬の自律神経は、適切なケアによって予防することが可能です。適度な運動、バランスの取れた食事、そしてストレスの少ない環境作りを心掛けましょう。
日々の行動や健康状態に注意を払い、異変を感じたらできるだけ早く獣医師の診断を行うことをおすすめします。
参考文献:
村山未来,永澤美保,片山真希,池田和司,久保孝富,山川俊貴,藤原幸一,菊水健史(2020)「心拍変動を用いた運動中のイヌの情動評価の試み」動物心理学研究,70(1),15-18
麻布大学「イヌは自己と他個体を区別できるのか?麻布大学の介在動物学研究室が映像刺激の違いによる イヌの自律神経系の反応を解析」
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獣医師:丸田 香緒里
◆丸田 香緒里 プロフィール
日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/