【獣医師監修】猫の胃腸炎|原因・症状・治療法を解説 | WePet-プレミアムペットフード通販

【獣医師監修】猫の胃腸炎|原因・症状・治療法を解説

健康

猫は環境の変化や食事の違いによって、お腹を壊したり、吐いたりすることがあります。そのなかでも胃腸炎は猫によく見られる疾患のひとつです。
今回は、猫の胃腸炎について解説します。

猫の胃腸炎とは

胃腸炎とは、胃や腸に炎症が起こる状態のことで、症状の程度や発症の原因により、「急性胃腸炎」と「慢性胃腸炎」に分類されることが一般的です。

急性胃腸炎:突然の嘔吐や下痢が主な症状で、感染や食事の異常、ストレスなどが原因になることが多い
慢性胃腸炎:数週間以上にわたり症状が続くもので、治りにくいのが特徴

猫は犬に比べて嘔吐しやすい動物ですが、嘔吐や下痢が数日続く場合は、要注意です。

胃腸炎の主な症状

胃腸炎の症状は、炎症が起きている部位によって異なりますが、代表的なものは以下の通りです。

主な症状としては、

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 食欲不振

などが挙げられます。

急な下痢や嘔吐がみられる場合は、特に急性胃腸炎の可能性が高いとされます。
慢性型では症状が目立ちにくく、「少しずつやせてきた」「よく吐くけど元気」といった見逃されやすい変化に注意が必要です。

原因

猫の胃腸炎にはさまざまな原因があります。

主な原因

  • 腐敗した食べ物
  • 脂肪分が多いもの
  • 人間用の食事
  • 植物
  • 薬物
  • 異物誤飲(おもちゃなど) など

猫の健康維持には、誤った食事が健康リスクを高める可能性もあるため、食事の管理が大切です。

猫が食べてはいけないものは、こちらの記事をご覧ください

他にも、サルモネラ菌、回虫やジアルジアなどウイルス・細菌感染・寄生虫・ストレスや環境変化・アレルギーなどが原因となることがあります。
特に子猫や高齢猫は、感染症による胃腸炎に弱いため、注意が必要です。
環境変化(引っ越し・同居猫の増減など)や騒音、トイレの清潔度などが猫のストレスとなり、胃腸の不調を招くケースがあります。

治療方法

猫の胃腸炎の治療は、原因や症状の程度によって異なりますが、主に以下のような方法があります。

急性

  • 一定期間、絶食をして胃腸を休ませる
  • 吐き止めの薬を投与
  • 消化器用療法食 など

慢性

慢性による場合は、薬や手術が必要な場合もあり、治療方法は症状によって異なります。

急性や慢性の判断は飼い主には難しく、特に猫は症状を隠してしまうこともあるため、変化が見られた際は、動物病院で必ず検査を行ってください。

飼い主ができる予防策

胃腸炎の多くは、日常の管理や注意で予防が可能です。
飼い主ができる予防策をいくつかご紹介します。

  • バランスのとれた食事を与える
  • 急なフード変更は避け、徐々に切り替える
  • 人間の食べ物は与えない
  • 拾い食い、異物誤飲をしないように注意する
  • 室内環境の衛生管理(トイレや食器)
  • ストレスを最小限にする生活環境

特に高齢猫や慢性疾患を抱える猫には、消化器にやさしい療法食も検討し、定期的な健康診断も行うようにしましょう。

まとめ

猫の胃腸炎は一見軽い症状に見えても、重篤な疾患のサインであることも少なくありません。数日以上続く嘔吐や下痢、体重減少などがある場合は、早めの動物病院受診をおすすめします。
また、食事・生活・環境の見直しによって、胃腸の健康を守ることも可能です。日々の観察と予防ケアで、愛猫の健やかな毎日を支えていきましょう。

参考文献:
石岡克己(2021)「犬と猫における消化器疾患と栄養」ペット栄養学会誌,24(2), 120-127.
環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」
一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラムHP

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監修獣医師:丸田 香緒里

◆丸田 香緒里 プロフィール

日本大学卒。動物病院勤務後、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、メンタルケアカウンセラーなどの資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。
HP:http://animallifepartner.com/

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